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パラベンフリーは本当に安全?パラベンの毒性・危険性をデータで解説する記事のアイキャッチ

【成分解析】パラベンフリーって本当に安全?パラベンの毒性・危険性をデータで正直に解説

「パラベンフリー」なら安心? 代わりに入っているもの

化粧品の箱に「パラベンフリー」と書いてあるとなんとなく良さそうに見えますよね。パラベンは悪いもので入っていないほうが安心。そういう空気がいつのまにかできあがっています。

ところが成分表示を裏返して見ると別の防腐剤の名前が並んでいます。パラベンが抜けた分を何かが埋めている。当たり前といえば当たり前ですよね。

美肌プロはこの空気に賛成も反対もしません。パラベンと、代わりに入る成分の両方について公開データを見ていきます。この記事は公開されているデータだけを根拠にしています。


この記事でわかること

  • パラベンが化粧品の中でしている仕事と、100年分の歴史
  • 「パラベン=危険」のイメージがどこから来たのか
  • 美肌プロ毒性評価と、公開データでわかっていること
  • 「パラベンフリー」の中身。何が代わりに入っているのか
  • 成分表示でパラベンを見つける方法

パラベンとは? 100年使われてきた防腐剤

パラベンは化粧品・医薬品・食品に広く使われている防腐剤です。正式にはパラヒドロキシ安息香酸エステルといいます。成分表示では「メチルパラベン」のように、アルキル基の名前を頭に付けて書かれます。

項目内容
化粧品表示名メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなど
医薬部外品表示名パラオキシ安息香酸メチルなど。簡略名は「パラベン」
INCI名Methylparaben ほか
配合目的防腐
よく入っている製品化粧水、乳液、クリーム、口紅、パウダー類

歴史は1924年にさかのぼります。当時使われていたサリチル酸や安息香酸には強い酸性でないと効果が出ないという弱点がありました。その代わりになる抗菌剤として報告されたのがパラベンです。広いpHで効くこと。いろいろな微生物に効くこと。少量で足りること。この3つが評価され1934年にスイス薬局方、1947年に米国薬局方へ収載されました。


メチル・エチル・プロピル・ブチルの違い

種類の違いは結合しているアルキル基の炭素数です。炭素数が増えるほど少ない量で微生物の増殖を抑えられます。下の数字は枯草菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)です。単位のppmは100万分の1で1ppm=0.0001%にあたります。

表示名MIC(ppm・枯草菌)
メチルパラベン2,000
エチルパラベン1,000
プロピルパラベン500
ブチルパラベン250

数字が小さいほど少量で効くという意味です。ただし実際の製品では1種類を多く入れるのではなく数種類を組み合わせます。少ない濃度で済ませること。耐性菌が出るのを防ぐこと。相乗効果をねらうこと。この3つが理由です。


なぜ「パラベン=危険」と言われるようになったの?

きっかけのひとつが報道でした。経緯がはっきり記録されている例があります。

2005年、新聞が「紫外線で肌の老化が進む」と報じた

2005年8月、メチルパラベンに紫外線が当たると皮膚細胞の老化が進むという研究が新聞で大きく取り上げられました。培養した皮膚細胞にメチルパラベンを加えて紫外線を当てたところ、細胞の死亡率が約6%から約19%に上がったという内容です。

業界側は「実際の使い方とは条件が違う」と反論した

4日後に、日本化粧品工業連合会(現・日本化粧品工業会)がコメントを出しています。試験は表皮の細胞だけを使ったものでヒトの皮膚そのものを使ったものではないこと。メチルパラベンは太陽光の紫外線をほとんど吸収しないこと。この2点を挙げ、実際の使用と結びつくものではないとしました。

原料メーカーの上野製薬も実験を行った研究者に直接確認したうえで反論を出しています。培養細胞を溶液に24時間浸してから紫外線を直接当てた試験だったこと。実際には角質層が化粧品を受け止め、取り込まれた分も速やかに代謝されること。条件がまるで違うという指摘でした。

研究そのものが間違いというより見出しだけが独り歩きした形です。こうした話が積み重なって「パラベン=危険」の印象ができあがりました。


体の中にたまるのではという心配について

パラベンを使い続けると体の組織に低いレベルでとどまり続ける可能性があると報告されています。ただし、それによって健康に害が出ることを示した十分な裏付けのあるヒト研究データは現時点でありません。パラベンは表皮でパラヒドロキシ安息香酸に代謝され、尿として排泄されることもわかっています。


パラベンの毒性・安全性をデータで確認

美肌プロの毒性評価はAです。以下はメチルパラベンの公開データを整理したものです。

評価項目内容
美肌プロ毒性評価A
収載厚生労働省の防腐剤ポジティブリスト、日本薬局方、医薬部外品原料規格2021
使用実績50年以上
皮膚刺激性ほとんどなし〜わずか
皮膚感作性ほとんどなし。ただし皮膚炎がある場合や感作の経験がある場合はまれに起こりうる
経皮吸収・代謝表皮でパラヒドロキシ安息香酸に代謝され、尿として排泄される

実際にどのくらい入っているのかも数字が出ています。化粧水を調べた報告ではメチルパラベンの配合量は平均0.097%、最も多いもので0.2%ほど。ブチルパラベンは平均0.013%、最も多いもので0.051%ほどでした。医薬部外品の配合上限はパラオキシ安息香酸とそのエステルの合計で1.0%です。

上限に対して実際の配合量はかなり低いところに収まっています。数種類を組み合わせた相乗効果で少ない量が足りているためです。


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手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。

「パラベンフリー=安全」は本当?

水分を含む化粧品は防腐剤なしでは菌やカビが繁殖します。だから「パラベンフリー」の製品にもほぼ必ず別の防腐剤が入っています。パラベンが抜けた穴を何かが埋めているわけです。

パラベンの代わりによく使われるのは、こんな成分です。

代替として使われる成分公開データでわかっていること
フェノキシエタノール40年以上の使用実績。皮膚刺激性・皮膚感作性ともにほとんどなし〜わずか。化粧水では平均0.260%、最大0.550%の配合例
安息香酸Na40年以上の使用実績。食品添加物としても指定されている。0.2%以下では皮膚刺激性ほとんどなし
1,2-ヘキサンジオール防腐補助成分に分類される。単独ではなく他の防腐剤と組み合わせて使われることが多い

こうして並べてみるとどれかが特別に危ないという話ではないと思いませんか。パラベンも代替成分も公開データの上では通常の配合量で問題のない成分として扱われています。

「パラベンフリーだから安全」でも「パラベン入りだから危険」でもない。見るべきなのはフリー表示ではなく、何がどれだけ入っているかです。


こんな方はパラベンを避けた方がいいかも

  • パラベンでアレルギーと診断されたことがある方
  • 皮膚炎がある方、過去に化粧品で感作を起こした経験がある方(まれに接触皮膚感作が起こりうると報告されています)
  • 妊娠中・授乳中で念のため避けたい方

逆にいえば当てはまらない方が過度に怖がる必要はありません。気になる場合も避けるより先に成分表示を見るほうが役に立ちます。



よくある疑問(Q&A)

Q. パラベンフリーのほうが肌にやさしいですか?
A. 一概には言えません。フリーの製品にも別の防腐剤が入っていて、そちらも公開データ上は問題のない成分です。

Q. パラベンは何種類も入っていると危険ですか?
A. 種類を組み合わせるのは、少ない量で幅広い菌に対応するための設計です。数が多いほど危険という意味ではありません。

Q. 防腐剤が入っていない化粧品はありますか?
A. 水を含む製品では何らかの形で品質を保つ工夫が必要になります。防腐剤が無いのではなく、別の成分が担っていると考えてください。

成分表示での確認方法

パラベンが入っているかどうかは全成分表示を見れば分かります。表示はこう並びます。

水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
フェノキシエタノール、メチルパラベン、香料
            ↑ここ

「パラベンフリー」の製品ではこの位置に別の防腐剤の名前が入ります。フェノキシエタノールや安息香酸Naが並んでいたらそちらが防腐を担当しているということです。

防腐剤は少ない量で効くので表示の後半に出てくることがほとんどです。ただし1%以下の成分は順不同で書いてよいことになっているため後半の順序から量は読み取れません。詳しくは化粧品の全成分表示の読み方にまとめてあります。


美肌プロでパラベンの成分解析を確認してみよう

美肌プロの成分データベースならパラベンの用途と安全性評価をそのまま確認できます。「パラベンフリー」と書かれた製品を1本手に取って、全成分表示と見比べてみてください。1本ぶんの成分分析を自分の目でやってみるとフリー表示の見え方が変わります。

👉 メチルパラベンの成分詳細・安全性評価を見る

👉 メチルパラベンの配合商品を見る

👉 無添加・フリー表示から化粧品を探す


まとめ

  • パラベンは1924年に報告された防腐剤で100年分の使用実績がある
  • 「危険」のイメージは報道が発端。業界側と原料メーカーから実際の使い方とは条件が違うという反論が出ている
  • 美肌プロ毒性評価はA。皮膚刺激性はほとんどなし〜わずか。ただし皮膚炎や感作の経験がある方はまれに反応が出ることがある
  • 「パラベンフリー」の製品にも別の防腐剤が入っている。フェノキシエタノールや安息香酸Naも公開データ上は問題のない成分
  • フリーかどうかではなく、何がどれだけ入っているかを全成分表示で見る

美肌プロは「パラベンが入っているから悪い」「パラベンフリーだから良い」という判断はしません。データを並べるところまでが役割で選ぶのは読む人です。


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読み終わったら、気になる1本を検索してみてください。全成分と評価が一覧で出ます。

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参考資料

本文の規制・安全性に関する記述は次の公的資料で確認できます(3つ目のみ英語です)。