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【成分解析】〇〇酸ソルビタンとは?ステアリン酸・パルミチン酸など仲間の成分も含めて安全性をデータで正直に解説

この記事でわかること

  • 「〇〇酸ソルビタン」って結局なに?なぜ似た名前の成分がたくさんあるの?
  • ステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン…名前の違いは何?
  • ソルビタン系成分の安全性をデータで確認
  • 「合成界面活性剤だから肌に悪い」って本当?
  • 美肌プロの毒性評価はどうなの?

「〇〇酸ソルビタン」、似た名前が多すぎて混乱しますよね

化粧品の全成分表示を見ていると「ステアリン酸ソルビタン」「パルミチン酸ソルビタン」「セスキイソステアリン酸ソルビタン」などソルビタンと付く成分がいくつも並んでいて驚いた経験はありませんか?

美肌プロはこの長い名前をまとめて「危険」とも「安全」とも言いません。1つずつ公開データを確かめていきます。この記事ではソルビタン系成分の正体と名前の読み解き方、そして安全性のデータを正直にお伝えします。


ソルビタンとは?

ソルビタンはトウモロコシなどのデンプンから作られる糖アルコール「ソルビトール」を加工して得られる成分です。これ自体が化粧品に入ることは少なく、脂肪酸と結合させた「〇〇酸ソルビタン」の形で使われます。

役割はほぼ一貫して乳化剤です。乳化剤とは本来混ざらない水と油をなじませてクリームや乳液の形を保つ成分のこと。ソルビタン系は特に、油分の多いクリームやメイクアップ製品、日焼け止めで水分を油に混ぜ込むのが得意なタイプです。

基本情報内容
由来デンプン由来の糖アルコール(ソルビトール)と脂肪酸を結合させて製造
種類結合する脂肪酸の違いで「ステアリン酸ソルビタン」「ラウリン酸ソルビタン」など多数
主な役割乳化剤(水と油をなじませる)・乳化安定剤
主な使用製品クリーム・乳液・日焼け止め・メイクアップ製品・クレンジングなど
美肌プロ毒性評価成分ごとに異なる(この記事の後半に一覧があります)

名前が似ている成分の違い

「〇〇酸ソルビタン」の〇〇部分は結合している脂肪酸の名前です。脂肪酸の種類が変わると固さや使用感が変わります。代表的なものを整理してみましょう。

成分名結合している脂肪酸特徴
ステアリン酸ソルビタンステアリン酸こっくりしたクリームの乳化に多用
モノステアリン酸ソルビタンステアリン酸1つ「モノ」は1つという意味。データベースにはこの書き方の行もある
トリステアリン酸ソルビタンステアリン酸3つ油になじむ力が強く、油分の多い処方向き
パルミチン酸ソルビタンパルミチン酸乳化のほか感触改良にも
ラウリン酸ソルビタンラウリン酸比較的軽い使用感
オレイン酸ソルビタンオレイン酸液状油との相性がよい
セスキオレイン酸ソルビタンオレイン酸1.5分子「セスキ」は1.5分子の意味
セスキイソステアリン酸ソルビタンイソステアリン酸1.5分子下地・日焼け止めなどで多用
オリーブ油脂肪酸ソルビタンオリーブ油由来の脂肪酸自然派処方でよく見かける

「セスキ」は脂肪酸1.5分子、「ジ」は2分子、「トリ」は3分子という意味の接頭語です。また「ポリソルベート」という成分はソルビタンに水になじむ部分を足して水系の製品でも使えるようにした親戚にあたります。名前が長くても、根っこはどれもソルビタン+脂肪酸の仲間です。


脂肪酸の種類でどう変わる?代表的な組み合わせ

ソルビタンに結びつく脂肪酸が変わると油になじむ強さや使用感が少しずつ変わります。どれが優れているという話ではなく、作りたい製品にあわせて選び分けられています。代表的なものを見ていきましょう。

ステアリン酸ソルビタンはもっともよく見かける組み合わせです。クリームや乳液で水と油をなじませる役割を担い、しっとりとした質感をつくります。常温で固形に近い性質があるためこっくりしたテクスチャーの製品と相性がよい成分です。

セスキステアリン酸ソルビタンは名前に「セスキ」が付きます。これはソルビタン1つに対して脂肪酸がおよそ1.5個結びついていることを表す言葉です。ステアリン酸ソルビタンより脂肪酸の割合が多いぶん、油になじみやすい性質を持ちます。日焼け止めやメイクアップ製品など油分の多い処方で選ばれることがあります。

イソステアリン酸ソルビタンセスキイソステアリン酸ソルビタンは、枝分かれした構造の脂肪酸を使ったタイプです。枝分かれがあると固まりにくくなるためさらりとした軽い使用感を出したい製品で使われます。

オレイン酸ソルビタンセスキオレイン酸ソルビタンはオリーブ油などに多い脂肪酸を使ったタイプで常温で液状です。パルミチン酸ソルビタンラウリン酸ソルビタンはステアリン酸より短い脂肪酸を使っており、より軽い質感に向いています。

成分表示でこれらの名前を見かけたときは「ソルビタンに何の脂肪酸がついているか」の違いだと考えれば十分です。いずれも乳化を助ける目的で少量配合されるもので役割そのものは共通しています。

「セスキ」「トリ」など数を表す言葉の意味

名前の頭に付く言葉は結びついている脂肪酸の数を表しています。意味が分かると成分表示がぐっと読みやすくなります。

頭に付く言葉意味
(なし)脂肪酸が1つ結びついているステアリン酸ソルビタン
モノ脂肪酸が1つ。数を明記した書き方モノステアリン酸ソルビタン
セスキ脂肪酸がおよそ1.5個。油になじみやすくなるセスキステアリン酸ソルビタン
トリ脂肪酸が3つ。さらに油になじみやすいトリステアリン酸ソルビタン

数が増えるほど油になじむ性質が強くなります。水になじませたい処方か、油になじませたい処方かによって、メーカーが使い分けています。

データベースには2通りの書き方の行があります

成分のデータベースを見ていくと「〇〇酸ソルビタン」と「ソルビタン〇〇エート」が別々に登録されていることに気づきます。化粧品の成分表示に使われるのは、左側の「〇〇酸ソルビタン」の形です。日本化粧品工業会の成分表示名称リストに載っているのもこちらになります。

成分表示に使われる名前データベースにあるもう一方の行
パルミチン酸ソルビタンソルビタンパルミテート
イソステアリン酸ソルビタンソルビタンイソステアレート
セスキオレイン酸ソルビタンソルビタンセスキオレエート
ラウリン酸ソルビタンソルビタンラウレート

右側の書き方は表示名称リストには載っていません。医薬部外品では化粧品と違う名前が使われることがあり、原料メーカーの資料でも別の書き方を見かけます。同じものを指しているのか、それとも別の規格なのかは、名前だけからは決められません。製品を選ぶときに見るのは、成分表示に実際に書かれている左側の名前で十分です。

もうひとつ、水になじむ部分を足したタイプにも書き方のゆれがあります。「POE(20)」と「PEG-20」はどちらも同じ部品が20個つながっていることを表しています。POEはポリオキシエチレン、PEGはポリエチレングリコールの略で古い書き方と新しい書き方の違いです。

見慣れない並びに出会ったときは、まず「ソルビタン」の文字を探してみてください。その前後にある脂肪酸の名前が分かればどんな役割の成分かの見当はつきます。

 

ソルビタン系成分の安全性をデータで確認

ステアリン酸ソルビタンは107〜205名規模のヒトパッチテストで刺激反応がほぼ報告されておらず、感作(アレルギー)反応も複数の試験で確認されていません。セスキイソステアリン酸ソルビタンも10%配合製剤の24時間パッチテスト(10名)で反応なしと報告されています。

評価項目内容
皮膚刺激性ほぼなし〜軽度(複数のヒト試験で確認)
皮膚感作性ほとんど報告なし
眼刺激性最小限(動物試験で48時間以内に回復)
使用実績成分により15〜20年以上(医薬部外品原料規格2021などに収載)
美肌プロ毒性評価A のものと C のものがある(下の一覧を参照)

ソルビタン系はメイクアップからスキンケアまで幅広い製品で長年使われてきた乳化剤で重大な健康被害の報告は調べた範囲では見当たりませんでした。ただし美肌プロ毒性評価は成分ごとに分かれます。次の一覧をご覧ください。

取り上げた成分の美肌プロ毒性評価です。同じ仲間でも評価は分かれます。

成分美肌プロ毒性評価
トリステアリン酸ソルビタンC
セスキイソステアリン酸ソルビタンC
ステアリン酸ソルビタンA
イソステアリン酸ソルビタンA

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手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。

「合成界面活性剤だから肌に悪い」って本当?

ソルビタン系は分類上「合成界面活性剤」に含まれるためそれだけで避けたくなる方もいるかもしれません。ただ、界面活性剤とひとくくりにするのは少し乱暴です。

ソルビタン系は電気的な性質を持たない「非イオン型」というグループで界面活性剤の中では刺激の低い部類に入ります。洗浄目的で高濃度に使われる成分とは役割も配合量も異なり、クリームの形を保つために少量入っているのが一般的です。上で見たとおり、ヒト試験のデータも低刺激という結果を裏付けています。


こんな方は気にしてみてもいいかも

〇〇酸ソルビタンはデータ上、問題になりにくい成分です。とはいえ、次に当てはまる方は〇〇酸ソルビタンの表示を確かめてみてください。

  • 過去に乳化剤・界面活性剤を含む化粧品でかゆみや赤みを経験したことがある方
  • 肌のバリア機能が落ちているとき(肌荒れ中・強い乾燥中)に新しい製品を試す方

逆に言えば、そうでなければクリームの形を保つために少量入っている乳化剤、という理解で十分です。



よくある疑問(Q&A)

Q. 「セスキ」「トリ」は何を表していますか?
A. 結合している脂肪酸の数です。セスキは1.5分子、トリは3分子。根っこは同じソルビタン系の仲間です。

Q. 合成界面活性剤だから肌に悪いのでは?
A. 洗浄用の界面活性剤とは役割が別です。ソルビタン系は非イオン型で界面活性剤の中では刺激の低い部類に入ります。

Q. ソルビタンとソルビトールは同じですか?
A. ソルビトールから作られる関連物質ですが、化粧品での役割は異なります。表示名まで見て区別してください。

成分表示での確認方法

〇〇酸ソルビタンは成分表示でこんなふうに書かれます。

水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
ステアリン酸ソルビタン、フェノキシエタノール、香料
↑ここ

成分名に「ソルビタン」の文字があればこの記事で紹介した乳化剤の仲間と考えて大丈夫です。「ポリソルベート」や「POE(〇〇)ソルビタン」も同じファミリーの親戚です。長い名前に驚かず、「ソルビタン」の部分に注目して見てみてください。


美肌プロでステアリン酸ソルビタンの成分解析を確認してみよう

美肌プロの成分データベースではソルビタン系の各成分の詳細と安全性評価を個別に確認できます。クリームや日焼け止めの表示と照らし合わせてみてください。

👉 ステアリン酸ソルビタンの成分詳細・安全性評価を見る


美肌プロの成分データベースならステアリン酸ソルビタンの用途と安全性評価をそのまま確認できます。手持ちのクリームか日焼け止めで、「ソルビタン」を含む成分を探してみてください。頭に「セスキ」や「トリ」が付いていたら脂肪酸が何個ついているかを表しています。

👉 ステアリン酸ソルビタンの配合商品を見る

まとめ

  • 「〇〇酸ソルビタン」はデンプン由来のソルビタンと脂肪酸を結合させた乳化剤ファミリー
  • 〇〇部分は脂肪酸の名前。「セスキ」は1.5分子、「トリ」は3分子の意味で根っこは同じ仲間
  • ヒト試験で刺激・感作の報告はほぼなく、15〜20年以上の使用実績がある乳化剤
  • 合成界面活性剤ではあるが非イオン型で刺激が低い部類。洗浄用の界面活性剤とは役割が別

美肌プロは「ソルビタン系が入っているから悪い商品」という判断はしません。「セスキ」「トリ」の意味が分かれば長い名前も脂肪酸の数の違いとして読めるようになります。

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