リップやファンデーション、ヘアケア製品の全成分表示でよく見かける「オクチルドデカノール」。カタカナ10文字の見慣れない名前に、不安を感じて検索した方も多いのではないでしょうか。
美肌プロは「良い・悪い」を決めません。判断の材料をそろえるのが仕事です。この記事ではオクチルドデカノールとその仲間の成分について、名前の読み解き方も含めて正直にお伝えします。
オクチルドデカノールは枝分かれ構造をもつ油性のアルコール(高級アルコール)です。常温で液体のさらっとしたオイルでベタつきの少ない油性基剤や、油に溶けにくい成分を溶かす溶剤として使われています。
メイクアップ製品からスキンケア、日焼け止め、ヘアケアまで使用範囲はかなり広く、化粧品の世界では定番のオイルのひとつです。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 由来 | 合成の高級アルコール(炭素数20の枝分かれ構造) |
| 種類 | 単体のほか、脂肪酸と結合した「〇〇酸オクチルドデシル」が多数 |
| 主な役割 | 油性基剤・エモリエント剤・溶剤 |
| 主な使用製品 | リップ・ファンデーション・日焼け止め・ヘアケア製品など |
| 美肌プロ毒性評価 | A。派生成分も多くが同評価 |
名前に「〜ノール」と付くため消毒用のアルコール(エタノール)を連想して乾燥や刺激を心配する方がいます。ですが、これはよくある誤解です。
化学的にはどちらもアルコールの仲間ですが、エタノールが揮発して清涼感を出すのに対し、オクチルドデカノールのような高級アルコールは揮発しない油分です。役割はオイルそのものでむしろ肌の上にとどまって水分の蒸発を防ぐ側の成分です。「アルコールフリー」表記の化粧品に高級アルコールが入っていることがあるのは、このためです。
オクチルドデカノールは脂肪酸と結合させた「〇〇酸オクチルドデシル」というエステル体としても多く使われています。代表的なものを整理してみましょう。
どれも「脂肪酸の名前 + オクチルドデシル」という並びになっています。日本化粧品工業会の成分表示名称リストに載っているのもこの並びです。成分表示で見かけたときは、前半の脂肪酸の名前を見ればどんな感触の油かの見当がつきます。
| 成分名 | 何が結合しているか | 主な役割 |
|---|---|---|
| オクチルドデカノール | (単体) | 油性基剤・溶剤 |
| ミリスチン酸オクチルドデシル | ミリスチン酸 | エモリエント剤(のび改善) |
| ネオペンタン酸オクチルドデシル | ネオペンタン酸 | 軽い感触のエモリエント剤 |
| イソステアリン酸オクチルドデシル | イソステアリン酸 | エモリエント剤 |
| オレイン酸オクチルドデシル | オレイン酸 | エモリエント剤・乳化補助 |
結合させる脂肪酸によって、さらっと軽くしたり、しっとり感を出したりと使用感を調整しています。名前が長くても、根っこはオクチルドデカノールをベースにした油分の仲間です。
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手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。
オクチルドデカノールは20〜210名規模の複数のヒト試験で皮膚刺激および皮膚感作なしと報告されています。23名を対象にした試験では光刺激・光感作もなしという結果でした。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚刺激性 | ほぼなし(20〜210名の複数試験で確認) |
| 皮膚感作性 | 報告なし |
| 光刺激・光感作性 | なし(23名の試験で確認) |
| 眼刺激性 | 軽微(動物試験で数日以内に回復) |
| 使用実績 | 40年以上。医薬品添加物規格・医薬部外品原料規格に収載 |
| 美肌プロ毒性評価 | A |
40年以上の使用実績の中で重大な健康被害の報告は調べた範囲では見当たりませんでした。
オクチルドデカノールは油になじむ成分です。水には溶けないので入る製品の種類がおのずと決まります。
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 油分を含む処方(乳液・クリーム・口紅・ファンデーション) | 油になじむ性質なので油性の基剤と組み合わせて配合される |
| ミリスチン酸オクチルドデシルなど仲間の成分 | こっくりした油分の重さをやわらげる目的で組み合わせられる |
| 脂性肌向けの処方 | 伸びがよく油っぽさが出にくいため油分が苦手な方の製品にも使われる |
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 水だけのさっぱりした化粧水 | 油になじむ性質なので水系だけの処方には入りにくい |
| 似た名前の油性成分が複数並ぶ | 感触の調整が目的。数が多い=保湿力が高いという意味ではない |
成分表示でオクチルドデカノールを見かけたら近くにほかの油性成分がないか探してみてください。どんな感触をねらった処方かが見えてきます。
オクチルドデカノールについて公開されている試験では大きな問題は出ていません。ただし、次に該当する方はオクチルドデカノールの表示を確認しておきたいところです。
逆に言えば、そうでなければ20〜210名の試験で刺激も感作も出ていない油分として見ておけば十分です。
Q. 「アルコール」と付くのに乾燥しないのですか?
A. 揮発しない油分だからです。消毒用のエタノールとは種類も役割もまったく違います。
Q. ミリスチン酸オクチルドデシルも同じですか?
A. 同じオクチルドデカノールをベースにしたエステル体です。結合する脂肪酸が違うと感触が変わります。
Q. 油分なのでニキビが心配です。
A. 強く裏付けるデータは見当たりません。ただし油分との相性には個人差があるため使う量で調整すると確実です。
全成分表示を開くとオクチルドデカノールは次のように並んでいます。
水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
オクチルドデカノール、フェノキシエタノール、香料
↑ここ
成分名に「オクチルドデカノール」または「オクチルドデシル」の文字があればこの記事で紹介した油分の仲間です。長い名前に驚かず、この部分に注目して見てみてください。
美肌プロの成分データベースではオクチルドデカノールと各派生成分の詳細・安全性評価を個別に確認できます。リップやファンデーションの表示と照らし合わせてみてください。
美肌プロの成分データベースならオクチルドデカノールの用途と安全性評価をそのまま確認できます。リップかファンデーションを1本、「オクチルドデ」で始まる成分を探してみてください。名前に「ノール」と付いていても、消毒用アルコールとは別の油分です。
美肌プロは「オクチルドデカノールが入っているから悪い商品」という判断はしません。「ノール」で終わる成分にも、乾かすものと守るものの両方があります。
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