スキンケアの棚に並ぶオイル美容液。裏の成分表示を見ると「マカデミアナッツ油」「アルガニアスピノサ核油」「ホホバ種子油」など聞き慣れない植物の名前が並んでいます。どれが自分の肌に合うのか、そもそも何が違うのか。迷ったことはありませんか。迷ってしまう方は多いはずです。
植物オイルは種や果実からとれる油分をスキンケアに使う成分です。保湿や肌をやわらかく整える目的で、昔から幅広く使われてきました。ただ「植物由来だから肌にやさしい」と一括りにするのは早合点です。オイルごとに性質は大きく異なります。
この記事では人気の植物オイルの特徴と選び方を、良い面と気をつけたい点の両方から正直に整理します。難しい成分名もその場でやさしく言い換えながら進めます。自分に合う一本を見つける手がかりにしてください。
植物オイルとは植物の種子や果肉からしぼり取った油分のことです。化粧品では主に、肌の水分が逃げるのをふせぐ「うるおいのフタ」として働きます。肌の表面に薄い油の膜をつくり、乾燥しにくい状態に整えるイメージです。
オイルの性質を決めるのは中に含まれる「脂肪酸」という油の成分の組み合わせです。脂肪酸にはさらっとして肌になじみやすいタイプや、しっとり厚みのあるタイプがあります。この配合バランスがオイルごとに違うため使い心地や肌との相性に差が出ます。
大きく分けると、植物オイルには果肉からとる「果実油」と、種からとる「種子油」があります。オリーブ果実油は果肉からスイートアーモンド油やサフラワー油は種からとれます。同じ植物でもどこからしぼるかで性質が変わる点も覚えておくと便利です。
なお「ホホバ種子油」は名前にオイルとつきますが、化学的にはロウ(ワックス)に近い性質を持ちます。人の肌の皮脂に含まれる成分と構造が似ているとされ、さらっとした使用感で人気です。ひとくちに植物オイルといっても、中身はさまざまです。
代表的な植物オイルの特徴を、使用感の目安とあわせて表にまとめました。あくまで一般的な傾向で、製法や配合によって使い心地は変わります。参考のひとつとしてご覧ください。
| オイル名 | とれる場所 | 使用感の傾向 |
|---|---|---|
| マカデミアナッツ油 | ナッツの種子 | 肌になじみやすく、やわらかい感触 |
| アルガンオイル(アルガニアスピノサ核油) | アルガンツリーの種 | 比較的さらっとして伸びが良い |
| ホホバ種子油 | ホホバの種子 | 軽くさらっと、皮脂に近い性質 |
| オリーブ果実油 | オリーブの果肉 | しっとり厚みがあり保湿感が高い |
| スイートアーモンド油 | アーモンドの種子 | クセが少なくマイルド |
| サフラワー油(紅花) | 紅花の種子 | 軽くさらっとした感触 |
選ぶときの一番わかりやすい軸は使用感が「重めか軽めか」です。オリーブ果実油はしっとり感が強く、乾燥が気になる季節や部位に向きます。一方ホホバ種子油やサフラワー油は軽く、べたつきが苦手な方や脂性肌の方が使いやすい傾向です。
マカデミアナッツ油やスイートアーモンド油はその中間で肌になじみやすいのが特徴です。はじめて植物オイルを試す方が選びやすいタイプといえます。まずは軽めから試し、物足りなければ重めへ、と段階的に探すのがおすすめです。
成分表示には「マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル」のように長くて似た名前も登場します。これはマカデミアの油からとった脂肪酸と、植物由来のステロール(フィトステロール)を組み合わせた成分です。オイルそのものというより、肌の感触を整えたり、うるおいを保ったりする目的で加えられます。純粋な「マカデミアナッツ油」とは役割が少し異なる、と押さえておくと表示を読むときに迷いません。
植物オイルは古くから使われてきた成分で、多くは化粧品原料として広く配合実績があります。一般的な使用の範囲では刺激が強い成分という位置づけではありません。ただし「植物由来だから誰にでも刺激がない」とは言い切れない点に注意が必要です。
とくに気をつけたいのがアレルギーです。ナッツや種子からとるオイルは原料となる植物にアレルギーがある方だと反応が出る可能性が指摘されています。スイートアーモンド油やマカデミアナッツ油はナッツ由来のためナッツアレルギーのある方は成分名を確認しておくと良いでしょう。
いわゆる「旧表示指定成分」は、かつてアレルギーなどの報告があった成分に表示義務があった制度です。今回紹介している植物オイルそのものは一般にこの旧表示指定成分にあたるものではありません。とはいえ製品にはオイル以外の成分も入ります。肌が敏感な方は、全成分をあわせて確認しておくと判断しやすくなります。
「このオイルはニキビの原因になりやすい」といった話も見かけますが、なりやすさには個人差が大きく、はっきり結論づけるのは難しいのが実情です。この点はまだ研究段階といえます。心配な場合は少量を腕の内側などで試してから顔に使うと、自分の肌の反応を確かめられます。
美肌プロに成分ページがあるオイル系成分の毒性評価です。いずれもAでした。
なお、この記事で触れたマカデミアナッツ油・ホホバ種子油・アルガニアスピノサ核油は、現時点で美肌プロの成分ページを用意できていません。かわりに、同じくオイル系で成分ページのあるものを並べています。
| 成分 | 美肌プロ毒性評価 |
|---|---|
| マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル | A |
| マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル | A |
| カニナバラ果実油 | A |
| バオバブ種子油 | A |
| サフラワー油 | A |
| オリーブ果実油 | A |
| スイートアーモンド油 | A |
| ヒマワリ種子油不けん化物 | A |
植物オイルについて「酸化して肌に悪い」という声を耳にすることがあります。酸化とは油が空気中の酸素と反応して質が変わる現象です。たしかに油は時間とともに酸化しうるもので、開封後に古くなったオイルは香りや使い心地が変わることがあります。
ただし市販の化粧品は酸化を抑える工夫がされているのが一般的です。酸化しにくいオイルを選んだり、酸化を防ぐ成分を加えたりして、品質を保つよう設計されています。だから「植物オイル=すぐ酸化して危険」と一律に考える必要はありません。
大切なのは正しく保管して期限内に使い切ることです。直射日光や高温を避け、開封後は早めに使うと品質を保ちやすくなります。オイルの性質を知って上手につき合えば、酸化を過度に恐れる必要はありません。
どれも「絶対に避けるべき」という話ではありません。自分の肌質やアレルギーの有無に合わせて、確認しておくと選びやすくなるという目安です。迷ったら、成分がシンプルな製品から試すと変化に気づきやすくなります。
全成分表示を開くと、植物オイルは次のように並んでいます。
水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
オリーブ果実油、フェノキシエタノール、香料
↑ここ
化粧品の裏面には配合されている成分がすべて記載されています。植物オイルを探すときは「~油」「~種子油」「~果実油」「~核油」といった名前に注目してください。オリーブ果実油やホホバ種子油、アルガニアスピノサ核油などが該当します。
全成分は原則として配合量の多い順に並びます。上のほうにオイル名があれば、そのオイルが多めに配合されている目安になります。ただし1%以下の成分は順不同で書けるため順番だけで判断しすぎないことも大切です。
成分表示の基本的な読み方はこちらの記事でくわしく解説しています。あわせて読むと、表示から製品の特徴を読み取りやすくなります。成分表示の読み方はこちら
美肌プロでは成分ごとに特徴や評価を確認できます。気になる植物オイルや関連成分は下記のページからチェックしてみてください。
気になる成分の名前がわからないときはこちらの記事も役立ちます。成分の探し方はこちら
美肌プロの成分データベースなら、オリーブ果実油の用途と安全性評価をそのまま確認できます。手持ちのオイル美容液で、「〜油」で終わる成分を探してみてください。「果実油」なら果肉から、「種子油」なら種から。同じ植物でも採る場所で性質が変わります。
植物オイルは肌のうるおいを保つために古くから使われてきた成分です。マカデミアやアルガンはなじみやすく、オリーブはしっとり、ホホバやサフラワーは軽め、と使用感に違いがあります。
「植物由来=誰にでもやさしい」とは限らず、ナッツアレルギーなど確認したい点もあります。良い面と注意点の両方を知り、自分の肌質に合う一本を選んでください。成分表示を読む力が、選び方の大きな助けになります。
本記事は以下の資料を参考に一般に公開されている情報の範囲でまとめています。各成分の詳しいデータは本文中でリンクした成分ページ(それぞれ出典を記載)もあわせてご確認ください。