「最近コスメでよく見かけるCICAって何?」と思っている方、多いのではないでしょうか。
CICAとはアジアやアフリカに自生する植物「ツボクサ(学名:Centella Asiatica)」由来の化粧品原料を総称する言葉です。化粧品の成分表示には「ツボクサエキス」と記載されています。
名前の由来には2つの説があります。ひとつはツボクサの学名「Centella Asiatica」の頭文字と末尾から。もうひとつは「傷跡」を意味する英語「cicatrix」からとも言われています。
ちなみに面白い話: 野生のトラが傷を負ったとき、ツボクサに体を擦りつけたという伝承があることから「タイガーハーブ」という別名もあります。東南アジアでは葉を揉んで傷口や皮膚炎に使われ、西洋では創傷ややけどの民間外用薬として使われてきた歴史があります。ただしこれは民間療法の話で化粧品に配合したときの働きとは分けて考えてください。
日本でCICAが一気に広まったきっかけは韓国コスメブーム。敏感肌ケアの代名詞として「シカクリーム」が話題になり、今や定番の美容成分になっています。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 別名 | ツボクサエキス、センテラエキス、タイガーハーブ |
| 成分表示名 | ツボクサエキス |
| 性質 | 植物由来エキス |
| 肌タイプ | 全肌タイプ(特に敏感肌・肌荒れ肌に向いている) |
CICAはひとつの成分ではなく、複数の有用成分が含まれた植物エキスです。主な成分はこの4つです。
| 成分名 | 主な働き |
|---|---|
| マデカッソシド | 試験管内でコラーゲン産生促進、メラニン生成抑制、炎症物質(PGE2)の産生抑制が報告 |
| アシアチコシド | 試験管内でコラーゲン産生促進。ヒト使用試験で目もとのシワの評価改善が報告 |
| アジア酸(アシアチン酸) | 試験管内で活性酸素の消去、過酸化脂質の抑制が報告 |
| マデカシン酸 | 報告が分かれており、資料では作用の記載を控えている |
注意: CICAは天然成分のためツボクサの産地・採取部位・抽出方法によって含まれる成分の量が異なります。「CICA配合」と書かれていても、製品によって効果に差が出ることがあります。
CICAの名前を有名にしたのがこの働きです。資料によればマデカッソシドが炎症に関わる物質(PGE2)の産生を試験管内で抑えたと報告されています。肌荒れの起きやすい肌や敏感肌向けの製品に、幅広く使われています。
ヒト試験ではツボクサエキス配合の乳液を1日2回4週間塗った部位で経表皮水分蒸散量(肌から水分が逃げる量)が有意に低下したと報告されています。水分を抱えこむ力が保たれている状態です。資料ではこれをバリア機能修復作用として整理しています。
4週間のヒト試験でツボクサエキス配合の乳液を塗った部位は角層の水分量が有意に増加したというデータがあります。しっかりうるおいを補いながら、肌を柔軟に保ちます。
試験管内の実験でアシアチコシドとマデカッソシドが線維芽細胞のコラーゲン産生を促したという報告があります。資料はこれを「コラーゲン産生促進による抗シワ作用」として配合目的に挙げています。試験管内の結果が中心なのでそういう狙いで配合される成分だと捉えておくとよいと思います。
アジア酸には試験管内で活性酸素を消去し、過酸化脂質の生成を抑えたという報告があります。またマデカッソシドには紫外線による炎症を介したメラニン生成を試験管内で抑えたという報告があります。ただしツボクサエキスは美白の有効成分として承認された成分ではないため化粧品で「シミを防ぐ」とうたうことはできません。あくまで試験管内で確認された性質です。
化粧品の全成分をチェックする
手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。
美肌プロではツボクサエキスを評価Aと評価しています。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 美肌プロ毒性評価 | A |
| 皮膚刺激性 | 一般的に低い |
| 皮膚感作性 | 試験では陰性。ただし極まれに個別の感作事例あり |
| 敏感肌への使用 | 基本的に使いやすい低刺激成分 |
| 天然成分ゆえの注意点 | 産地・抽出法により成分が異なる |
Cosmetic Ingredient Reviewの安全性データでは複数のヒト試験でパッチテスト陰性という結果が報告されています。医薬部外品原料規格2021にも収載されており、25年以上の使用実績があります。
一方でツボクサエキスを含むクリームで強い皮膚炎やかゆみが出た個別事例が3件報告されています。試験データ全体では刺激性・感作性ともに「ほとんどなし」ですが、ごくまれに合わない人がいる、という読み方になります。
ただし天然成分なので体質によって合わない場合もあります。初めて使うときは二の腕の内側などでパッチテストをしてから使い始めると落ち着いて判断できます。
CICAは肌を落ち着かせる方向で使われる成分です。同じ方向の成分と重ねるのか、役割の違う成分と組むのかで、処方の狙いが変わります。
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| ヒアルロン酸・セラミド | 水分を抱える成分と、逃がさない成分。役割が違うので同じお手入れの中で組み合わせやすい |
| ビタミンC誘導体 | どちらも試験管内で抗酸化の報告がある。刺激を感じやすい方は量や頻度を見ながら |
| ナイアシンアミド | バリア機能に関わる方向が近く、同じ処方に入っていることが多い |
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| レチノール・AHA/BHA | 刺激が出やすい成分と同時に使うと負担になることがある。朝はCICA、夜はレチノールなど使い分けたい |
| 落ち着かせる方向の成分が複数入る | 働く方向が同じでも、数が多いほど効くという書き方はされていない |
成分表示でCICAを見つけたらレチノールや酸が一緒に入っていないか探してみてください。重なりの見当がつきます。
Q. CICAとツボクサエキスは違うものですか?
A. 同じものです。CICAは通称で成分表示では「ツボクサエキス」などの名前で書かれます。表示名で探すと見つけやすくなります。
Q. 荒れた肌を治せますか?
A. 化粧品は治療のためのものではありません。肌を整える方向の成分なので症状が強いときは皮膚科での相談が先になります。
Q. どのくらいの量が入っていれば効きますか?
A. 配合量は成分表示からは読み取れません。表示の位置で前半か後半かを見て、おおよその見当をつける程度になります。
CICAは成分表示でこんなふうに書かれます。
水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
ツボクサエキス、フェノキシエタノール、香料
↑ここ
化粧品の全成分表示では「ツボクサエキス」と記載されています。配合量の多い順に並ぶのが原則ですが、1%以下の成分は順不同でよいことになっています。植物エキスは配合量が少ないことが多いので後半にあるからといって入っていないわけではありません。位置はあくまで目安です。
成分表示例:
水、BG、グリセリン、ツボクサエキス、…(上位に記載 → 配合量多め)
水、BG、グリセリン、…、ツボクサエキス(下位に記載 → 配合量少なめ)
また、ツボクサ由来の成分として「マデカッソシド」「アシアチコシド」と記載されている場合もあります。
「CICA配合」と書かれた商品はたくさんありますが、他にどんな成分が入っているかで肌への影響は大きく変わります。美肌プロでは全成分と毒性スコアをまとめて確認できるので成分から商品を選ぶ参考にしてみてください。
👉 CICA(ツボクサエキス)配合商品を成分データベースで見る
美肌プロの成分データベースならツボクサエキスの用途と安全性評価をそのまま確認できます。「CICA」と大きく書かれた製品を1本、裏を返してみてください。表面のCICAが、裏では「ツボクサエキス」に変わっているのが分かります。
CICAは抗炎症・バリア機能・保湿・コラーゲン産生と、報告されている働きの幅が広い植物エキスです。毒性評価はAです。肌が敏感になっているときや、刺激の強い成分(レチノールなど)と一緒にケアしたいときにも選ばれています。
ただし「CICA配合」の一言だけで選ぶのではなく、全成分表示でツボクサエキスの配合位置や他の成分との組み合わせも確認するのが、自分に合った商品に出会うコツです。
美肌プロのデータベースをぜひ活用してみてくださいね。
化粧品の全成分をチェックする
読み終わったら、気になる1本を検索してみてください。全成分と評価が一覧で出ます。