肌荒れ対策の化粧水やヘアトニックの成分表示で見かける「オトギリソウエキス」。聞き慣れない名前で何のために配合されているのか気になった方もいるのではないでしょうか。
美肌プロは商品の順位づけをしません。公開されているデータをそのまま示します。この記事ではオトギリソウエキスの正体と働き、安全性を正直にお伝えします。
オトギリソウエキスはオトギリソウ科植物オトギリソウの全草から得られる抽出物です。日本や朝鮮半島、中国に分布する植物で傷や月経不順に使う民間薬として古くから利用されてきました。
研究で報告されているのはヒスタミンの遊離を抑える働きと、炎症に関わる酵素の働きを抑える働きです。化粧品では肌荒れを防ぐ・肌を整える目的で、敏感肌向けのスキンケアやヘアトニックに使われます。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 正体 | オトギリソウ科植物オトギリソウの全草から得られる抽出物 |
| 主な役割 | 肌荒れを防ぐ・肌を整える |
| 配合量の目安 | 人での試験では2%配合の例あり |
| 主な使用製品 | 化粧水・クリーム・ヘアトニックなど |
| 美肌プロ毒性評価 | A |
オトギリソウにはタンニンやフラボノールのほか、クェルセチンという成分が含まれます。クェルセチンについては、抗酸化をはじめとしたさまざまな研究報告があります。ただしそれは成分そのものの性質の話で化粧品に配合したときに同じことが起きると決まっているわけではありません。
これらの成分が組み合わさることで、肌荒れが気になるときのケアや頭皮のコンディションを整える目的で配合されています。
オトギリソウ由来のエキスは成分表示でいくつかの名前を持ちます。どれもオトギリソウ属の植物から得られるエキスで抽出部位の表記の細かさが違います。
| 表示名 | 部位の表記 | 主な役割 |
|---|---|---|
| オトギリソウエキス | 全草(部位を特定しない総称) | 肌荒れを防ぐ・肌を整える |
| オトギリソウ花/葉/茎エキス | 花・葉・茎と明示 | 肌を整える・保湿 |
| セイヨウオトギリソウ花/葉/茎エキス | 西洋種(セントジョーンズワート)由来 | 抗酸化・整肌 |
サプリメントで知られるセントジョーンズワートは西洋種のほうです。飲用では薬との相互作用が注意点として知られていますが、これは飲む場合の話で化粧品として肌に塗る使い方とは条件が異なります。表示名の細部を見るとどの種のどの部位を使っているかまで読み取れます。
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オトギリソウエキスは30名を対象に5%濃度で24時間閉塞パッチテストを行った結果、刺激はみられませんでした。20年以上の使用実績もある成分です。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚刺激性 | 30名試験(5%濃度・24時間閉塞パッチ)で刺激なし |
| 皮膚感作性 | ほぼなし |
| 眼刺激性 | データが見当たらず詳細不明 |
| 使用実績 | 20年以上 |
正直にお伝えすると天然由来の成分ゆえに産地や収穫時期によって成分組成が変わる可能性があります。天然成分特有の個体差があることは知っておくとよいでしょう。
オトギリソウエキスは水になじむ植物エキスでほてった肌を落ち着かせる方向で使われます。
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 化粧水・美容液 | 水になじむため肌を落ち着かせたい水系の処方に入れやすい |
| 敏感肌向けのスキンケア | 刺激を受けた肌をやさしく落ち着かせる方向で使われる |
| うるおいを保つ成分 | キメを整える働きも期待され、保湿成分と方向が合う |
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 荒れが強く出ているとき | 肌荒れを防ぐための成分。治療が必要な状態なら皮膚科での相談が先 |
| 肌を落ち着かせる目的の成分が複数入る | 方向が同じ成分が重なっても、効果が積み上がるという書き方はされていない |
成分表示でオトギリソウエキスを見つけたらほかに肌を落ち着かせる目的の成分がないか探してみてください。処方の狙いが見えてきます。
オトギリソウエキスにリスクが高いというデータは出ていません。ただ、次に当てはまる方はオトギリソウエキスの表示を見ておくと判断しやすくなります。
30名の試験で刺激がみられていない成分です。当てはまらない方は表示を気にしすぎなくて大丈夫です。
Q. オトギリソウエキスは肌に悪くないですか?
A. 試験では刺激がみられず、20年以上の使用実績がある成分です。ただし天然由来なので産地や収穫時期によって中身が少し変わる可能性はあります。
Q. サプリメントのセントジョーンズワートと同じですか?
A. 由来となる植物の仲間ですが、化粧品に配合されるのは肌に塗るためのエキスです。飲用のサプリメントとは分けて考える必要があります。
Q. 敏感肌でも使えますか?
A. データ上のリスクは低い部類です。心配な場合はパッチテストをおすすめします。
オトギリソウエキスが成分表示のどこにあるか、例で見てみます。
水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
オトギリソウエキス、フェノキシエタノール、香料
↑ここ
成分表示に「オトギリソウエキス」があればこの記事で紹介した、肌荒れを防ぐ目的で使われる成分です。敏感肌向けの製品やヘアトニックの成分表示で見かけることが多い成分です。
美肌プロの成分データベースではオトギリソウエキスの詳細と安全性評価を確認できます。お使いの化粧水やヘアケア製品の全成分表示と照らし合わせてチェックしてみてください。
美肌プロの成分データベースならオトギリソウエキスの用途と安全性評価をそのまま確認できます。肌荒れ対策の化粧水を1本、ほかに肌を落ち着かせる目的の成分がないか探してみてください。何を重ねて肌を落ち着かせようとしている処方なのかが見えてきます。
美肌プロは民間薬としての歴史を化粧品の効果に読み替えません。肌荒れを防ぐことと、荒れた肌を治すことは別です。症状が強いときは皮膚科が先になります。
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