スキンケア製品の成分表示で「セラミドNP」「セラミドAP」「セラミドEOS」など、セラミドの後ろにアルファベットが付いた成分を見て、何が違うのか気になったことはありませんか?
美肌プロは、どの記号が優れているという順位づけをしません。記号のルールと、角層に実際にある割合をお伝えします。この記事では、セラミドの記号のルールと選び方を正直にお伝えします。セラミドそのものの働きや4つの分類(ヒト型・天然・合成・疑似)については、先にセラミドとは?の記事で全体像をつかんでおくと、この記事がぐっと読みやすくなります。
アルファベットは適当に付いているわけではありません。セラミドは「脂肪酸」と「スフィンゴイド塩基(土台となる部分)」がくっついてできていて、1文字目が脂肪酸の種類、2文字目が土台の種類を表しています(出典: 化粧品成分オンライン)。
| 1文字目(脂肪酸) | 意味 |
|---|---|
| N | ふつうの脂肪酸 |
| A | α-ヒドロキシ脂肪酸 |
| O | ω-ヒドロキシ脂肪酸 |
| EO | エステル型のω-ヒドロキシ脂肪酸(バリアの要) |
| 2文字目(土台) | 意味 |
|---|---|
| S | スフィンゴシン |
| P | フィトスフィンゴシン |
| H | 6-ヒドロキシスフィンゴシン |
| DS(G) | ジヒドロスフィンゴシン |
たとえば「セラミドNP」なら、N(ふつうの脂肪酸)+P(フィトスフィンゴシン)の組み合わせ、という具合です。表示名で使われる「NG」「AG」は、それぞれ「NDS」「ADS」と同じものを指します。
※注記: 化粧品表示名の「セラミド1」はセラミドEOPを指しますが、皮膚科学の分野で1985年に「セラミド1」と同定されたのはセラミドEOSのほうです。出典もここを「誤解しやすい点」として挙げています。学術的な記述を読むときは、どちらの呼び方かを確かめてください。
少し前の製品では「セラミド1」「セラミド3」のように数字で表記されていました。これは古い呼び方で、今の記号名と1対1で対応しています。よく使われるものを対応表にまとめました。
| 旧・数字表記 | 新・記号表記 | 主な働き |
|---|---|---|
| セラミド1 | セラミドEOP | アシルセラミドと呼ばれるバリア寄りのタイプ(※下の注記を参照) |
| セラミド2 | セラミドNS / セラミドNG | 旧名では区別されず、どちらも「セラミド2」と呼ばれていた |
| セラミド3 | セラミドNP | 角層のセラミドの中で割合がいちばん多いタイプ |
| セラミド5 | セラミドAS / セラミドAG | こちらも旧名では区別されていなかった |
| セラミド6(6Ⅱ) | セラミドAP | ラメラ構造の再生と安定化に関わるタイプ |
「セラミド3」と「セラミドNP」が同じものだと分かると、成分表示がぐっと読みやすくなります。
ちなみに、実際の角層にどのセラミドがどれくらいあるかも報告されています。出典によるとセラミドNPが29.4%でいちばん多く、続いてセラミドNH 23.4%、セラミドNDS 11.3%。よく名前を聞くセラミドNSは3.4%、セラミドEOPは1.1%です。名前の知名度と、肌にある量は必ずしも一致しません。
正直にお伝えすると、「この記号が一番優秀」という単純な答えはありません。肌のセラミドはもともと複数の種類が組み合わさってバリアを作っているため、1種類だけを追い求めるより、複数のセラミドがバランスよく入っている製品のほうが理にかなっています。
迷ったときの目安としては、次のように考えると分かりやすいです。
NP・AP・NS・EOPなどの記号で表されるセラミドは、いわゆる「ヒト型セラミド」で、肌のセラミドと同じ構造を持つよう作られたものです。化粧品成分として登録されているセラミドはいずれも、配合量の範囲で皮膚刺激性・皮膚感作性がほとんどなく安全に使えると結論づけられており、1997年の登録以来、重大な皮膚障害の報告は見当たりません(出典: 化粧品成分オンライン)。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚刺激性 | 配合量の範囲でほとんどなし |
| 皮膚感作性 | ほとんどなし |
| 使用実績 | 1997年の登録以来、重大な皮膚障害の報告なし |
| 美肌プロ毒性評価 | この記事で扱う記号セラミドはいずれもA(下に一覧があります) |
記号ごとの毒性評価です。1文字目も2文字目も違いますが、この5つはすべてAでした。
| 成分 | 美肌プロ毒性評価 |
|---|---|
| セラミドNP | A |
| セラミドAP | A |
| セラミドEOS | A |
| セラミドNS | A |
| セラミドNG | A |
Q. セラミド3とセラミドNPは違うものですか?
A. 同じものです。古い数字表記と記号表記が1対1で対応しています。
Q. どの記号を選べばいいですか?
A. 1種類にこだわるより、複数がバランスよく入っている製品のほうが理にかなっています。
Q. 記号が多いほど高機能ですか?
A. 記号は種類を表すもので、性能の順位ではありません。配合量は表示から読み取れない点も同じです。
セラミドは、表示のうえでこの形で記載されます。
水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
セラミドNP、フェノキシエタノール、香料
↑ここ
「セラミド+アルファベット」または「セラミド+数字」の形を見つけたら、この記事のヒト型セラミドの仲間です。「グルコシルセラミド」はセラミドの前段階の成分(前駆体)で、少し別のグループになります。「植物性セラミド」などの表現は、由来を強調した呼び方です。
美肌プロの成分データベースでは、記号ごとのセラミドの詳細と安全性評価を個別に確認できます。お使いのスキンケアの全成分表示と照らし合わせてチェックしてみてください。
美肌プロの成分データベースなら、セラミドNPの用途と安全性評価をそのまま確認できます。セラミド配合の1本で、アルファベットの部分だけを読んでみてください。1文字目が脂肪酸、2文字目が土台。この記事の対応表と突き合わせれば、どのタイプかが分かります。
美肌プロは「この記号のセラミドだけが正解」という決めつけをしません。名前の知名度と、角層に実際にある量は一致しません。割合の数字のほうを覚えておいてください。
本記事は以下の資料を参考に、一般に公開されている情報の範囲でまとめています。