この記事でわかること
乳液やクリームの全成分表示を見ると、「ステアリン酸グリセリル」「ステアリン酸PEG-100」「ステアリン酸ソルビタン」など、ステアリン酸と付く成分がいくつも並んでいることがあります。
美肌プロは「おすすめも否定もしない、データで正直に伝える」サイトです。この記事では、ステアリン酸ファミリーの正体と名前の読み解き方、安全性のデータを正直にお伝えします。
ステアリン酸は、パーム油やシアバターなどの動植物油脂に広く含まれる代表的な脂肪酸です。人の皮脂にも含まれており、肌にとってなじみ深い成分といえます。
化粧品では単体で使われるほか、グリセリンやPEGなどと結合させた「エステル体」の形で、乳化剤(水と油をなじませてクリームの形を保つ成分)として幅広く使われています。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 由来 | パーム油・シアバターなど動植物油脂に含まれる脂肪酸 |
| 種類 | 単体のほか、グリセリル・PEG・ソルビタンなどと結合したエステル体が多数 |
| 主な役割 | 乳化剤・乳化安定剤・感触改良 |
| 主な使用製品 | 乳液・クリーム・日焼け止め・メイクアップ製品など |
| 美肌プロ毒性評価 | 成分ごとに評価(多くは低リスク。各成分ページで確認できます) |
「ステアリン酸〇〇」の〇〇部分は、結合している相手の名前です。相手が変わると水へのなじみやすさが変わり、使われる製品も変わります。
| 成分名 | 何が結合しているか | 主な役割 |
|---|---|---|
| ステアリン酸 | (単体) | 乳化安定・感触改良 |
| ステアリン酸グリセリル | グリセリン | 乳化剤(クリームの定番) |
| ステアリン酸グリセリル(SE) | グリセリン+石けん成分少量 | 自己乳化型の乳化剤 |
| ステアリン酸PEG-100 | ポリエチレングリコール | 水になじみやすい乳化剤 |
| ステアリン酸ソルビタン | ソルビタン | 油になじみやすい乳化剤 |
| ステアリン酸スクロース | ショ糖 | 乳化剤・感触改良 |
| ジステアリン酸グリコール | グリコール+2分子 | シャンプーのパール化剤など |
「ジ」は2分子、「トリ」は3分子という意味です。数字(PEG-100など)は結合させたPEGの長さを表していて、数字が大きいほど水になじみやすくなります。名前が長くても、根っこは同じステアリン酸の仲間です。
ファミリーの代表格であるステアリン酸グリセリルは、1,206名を対象にしたヒト試験でアレルギー性接触皮膚炎なしと結論づけられています。原液の24時間閉塞パッチテストでも刺激は軽度にとどまり、光毒性・光感作性も兆候なしと報告されています(出典: 化粧品成分オンライン)。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚刺激性 | 非刺激〜最小限(複数のヒト試験で確認) |
| 皮膚感作性 | 1,206名の試験でアレルギー性接触皮膚炎なし(個別の感作報告は1例) |
| 光毒性・光感作性 | 兆候なし |
| 使用実績 | 20年以上。食品添加物指定・日本薬局方・医薬部外品原料規格2021に収載 |
| 美肌プロ安全性評価 | 成分ごとに掲載(多くは低リスク評価) |
ステアリン酸グリセリルは食品の乳化剤としても認められている成分です。口に入る用途でも使われていると聞くと、少し安心できるのではないでしょうか。
実は、ステアリン酸をアルカリで中和した「ステアリン酸Na」や「ステアリン酸K」は、昔ながらの石けんの主成分そのものです。固形石けんや洗顔フォームの成分表示で見かけたら、それは石けん成分として入っています。
洗浄用の石けん成分は、乳化用のエステル体と比べて脱脂力があります。同じステアリン酸ファミリーでも「洗う成分」と「クリームの形を保つ成分」で役割が大きく違う点は知っておくと便利です。
データ上のリスクは低いとされていますが、以下に当てはまる方は成分表示をチェックしてみるといいかもしれません。
逆に言えば、これらに当てはまらない一般的な方が過度に心配する必要はなさそうです。
成分名に「ステアリン酸」の文字があれば、この記事で紹介したファミリーの仲間です。「ステアリル」「ステアロイル」で始まる成分も親戚にあたります。なお「イソステアリン酸」は枝分かれ構造をもつ別の仲間で、当サイトでは別記事で解説しています。
美肌プロの成分データベースでは、ステアリン酸系の各成分の詳細と安全性評価を個別に確認できます。気になる化粧品の全成分表示と照らし合わせてチェックしてみてください。
美肌プロは「ステアリン酸系が入っているから悪い商品」という判断はしません。全成分と安全性評価をデータで確認して、自分に合った化粧品を選ぶ参考にしてくださいね。
関連成分の解説記事
関連する成分解析ページ
参考文献・出典