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【成分解析】イソステアリン酸とは?グリセリル・ソルビタンなど仲間の成分も含めて安全性をデータで正直に解説

この記事でわかること

  • イソステアリン酸って結局なに?なぜ似た名前の成分がたくさんあるの?
  • イソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル…名前の違いは何?
  • イソステアリン酸の安全性をデータで確認
  • コメド(ニキビ)ができやすいって本当?
  • 美肌プロの毒性評価はどうなの?

「イソステアリン酸」、名前が難しくて不安になりますよね

化粧品の全成分表示を見ていると「イソステアリン酸」「イソステアリン酸グリセリル」「トリイソステアリン酸グリセリル」「イソステアリン酸ソルビタン」など似た名前の成分がいくつも並んでいて、混乱した経験はありませんか?

美肌プロは名前の長さを危険さの目安にしません。何と何が結びついた成分なのかを、順にほどいていきます。この記事ではイソステアリン酸とその仲間の成分を、名前の違いも含めて正直にお伝えします。


イソステアリン酸とは?

イソステアリン酸は天然の脂肪酸「ステアリン酸」の枝分かれ構造をもつ異性体です。パーム油やヒマシ油などの植物油を原料に作られることが多く、化粧品では主にエモリエント剤(皮膚をやわらかく保つ油分)や乳化剤の原料として使われています。

直鎖状のステアリン酸と違い分子が枝分かれしているため常温でも液体〜半固体になりやすく使用感が軽い油分として重宝されています。

基本情報内容
由来パーム油・ヒマシ油などの植物油由来の脂肪酸
種類イソステアリン酸単体のほか、グリセリル・ソルビタンなどと結合したエステル体が多数
主な役割油性基剤。酸化チタン・酸化亜鉛の表面処理にも使われる
使用実績医薬部外品原料規格2021に収載。イソステアリン酸単体は40年以上
美肌プロ毒性評価A

名前が似ている成分の違い

イソステアリン酸そのものだけでなく、下記のように他の成分と結合させた「エステル体」も数多く使われています。呼び方が違うだけで根っこは同じ成分であることが多いです。

成分名何が結合しているか主な役割
イソステアリン酸(単体)油性基剤、酸化チタン・酸化亜鉛の表面処理
イソステアリン酸グリセリルグリセリン(イソステアリン酸1つ)乳化剤、エモリエント
ジイソステアリン酸ポリグリセリルポリグリセリン(イソステアリン酸2つ)乳化剤(W/O型で多用)
トリイソステアリン酸グリセリルグリセリン(イソステアリン酸3つ)エモリエント、油性増粘剤
イソステアリン酸ソルビタンソルビタン乳化剤(W/O型)
イソステアリン酸イソステアリルイソステアリルアルコールエモリエント、質感調整

結合させる相手や数を変えて「サラッとした使用感にしたい」「こっくりしたクリームにしたい」など化粧品のテクスチャーを微調整しているイメージです。名前が長くなるほど「危険な合成物質」に見えがちですが、実際は同じイソステアリン酸をベースにした仲間同士です。


土台が変わるとどうなる?グリセリン・ソルビタン・砂糖のタイプ

イソステアリン酸は単独で使われるほか、いろいろな土台と結びついた形で配合されます。土台が変わると水になじむ強さや使用感が変わるため製品の目的にあわせて選び分けられています。代表的なものを見ていきましょう。

ジイソステアリン酸グリセリルはグリセリンにイソステアリン酸が2つ結びついたタイプです。1つだけ結びついたイソステアリン酸グリセリルより油になじみやすく、クレンジングオイルやメイクアップ製品で使われます。

セスキイソステアリン酸ソルビタンはソルビタンが土台のタイプです。「セスキ」はイソステアリン酸がおよそ1.5個結びついていることを表します。乳化を助ける目的でクリームや日焼け止めに配合されます。

テトライソステアリン酸スクロースは砂糖(スクロース)を土台にしたタイプでイソステアリン酸が4つ結びついています。医薬部外品では「ショ糖脂肪酸エステル」という名前で表示されることがあります。

同じ成分なのに名前が2つ?「ジグリセリル」と「ポリグリセリル-2」

成分表示を見比べていると「トリイソステアリン酸ジグリセリル」と「トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2」という、よく似た2つの名前に出会うことがあります。別の成分が2種類あるのだろうかと迷うかもしれません。

実はこの2つは同じものです。化粧品では「トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2」、医薬部外品では「トリイソステアリン酸ジグリセリル」と制度によって表示名が違うだけです。

「ジ」はギリシャ語で2つ、「ポリグリセリル-2」はグリセリンが2つつながったものを指します。どちらもグリセリンが2個つながった土台を意味していて、結局は同じ構造を別の呼び方で書いているにすぎません。

実際にどちらの名前でも登録されています。成分ページを並べると対応が見えます。

化粧品での表示医薬部外品での表示
トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2トリイソステアリン酸ジグリセリル
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2(対応する行は見あたりません)

グリセリンのつながる数が増えると名前の末尾の数字も増えます。ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10 は10個つながった土台に脂肪酸が2つ、という意味です。数字が大きいほど水になじみやすくなります。

 

化粧品での表示名医薬部外品での表示名関係
トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2トリイソステアリン酸ジグリセリル同じもの
ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2ジイソステアリン酸ポリグリセリル同じもの
テトライソステアリン酸スクロースショ糖脂肪酸エステル同じもの

同じ製品でも、化粧品として売るか医薬部外品として売るかで表示名が変わります。名前が違うからといって中身まで違うとは限りません。見慣れない名前に出会ったときは、こうした表示ルールの違いを疑ってみると混乱が減ります。

ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2も同じ仲間でグリセリン2つの土台にイソステアリン酸が2つ結びついた形です。油になじみやすく、メイクアップ製品やクレンジングで使われます。

イソステアリン酸の安全性をデータで確認

イソステアリン酸イソステアリルは医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績の中で重大な皮膚刺激・皮膚感作の報告はありません。イソステアリン酸ソルビタンも56名を対象にした試験・201名を対象にした試験のいずれでも皮膚感作反応は確認されていません。

評価項目内容
美肌プロ毒性評価A
急性毒性ほとんど報告なし
皮膚刺激性低い(複数の試験で確認)
皮膚感作性ほとんど報告なし
使用実績イソステアリン酸は40年以上。エステル体は20年以上(いずれも医薬部外品原料規格2021に収載)

資料では皮膚刺激性・皮膚感作性ともに「ほとんどなし」と整理されています。ただしこれは試験データ全体の傾向で誰にでも合うという意味ではありません。


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手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。

コメド(ニキビ)ができやすいって本当?

「油分=ニキビの原因」というイメージからイソステアリン酸系の成分を気にする方もいます。この点について、イソステアリン酸ソルビタンにはアクネ菌の増殖を調べたヒト試験があります。20名に5%配合の製品を使ってもらったところ、アクネ菌の増殖を促すとは結論づけられませんでした。資料もこれを受けて「アクネ菌増殖性はほとんどなし」と整理しています。

とはいえ油分である以上、もともと皮脂分泌が多い方やニキビができやすい肌質の方は配合量や他の成分との組み合わせで肌に合う・合わないが分かれる可能性はあります。心配な場合はパッチテストをしてから使うとよいでしょう。



他の成分との相性

イソステアリン酸は枝分かれした形の脂肪酸で常温でも固まりにくい油です。単体でも使われますが、多くはグリセリンやソルビタンと結びついたエステル体として登場します。

相性が良い組み合わせ

組み合わせ理由
酸化チタン・酸化亜鉛粉の表面を覆って分散させる目的で日焼け止めやファンデでよく組む
イソステアリン酸グリセリル同じイソステアリン酸から作る乳化剤。油相と一緒に配合されることが多い
ほかの液状油固まりにくい性質なので油相の質感を調整する相手として使いやすい

注意が必要な組み合わせ

組み合わせ理由
さっぱり仕上げたい処方向けの軽い油こっくりした質感を出す側の油なので狙いが逆になる
名前の似たステアリン酸直鎖のステアリン酸は常温で固体。イソが付くと性質が変わるので取り違えない

成分表示でイソステアリン酸を見つけたら後ろに「グリセリル」「ソルビタン」が続いていないか見てください。単体の油か、乳化剤かが分かります。

こんな方は気にしてみてもいいかも

科学的データの上ではリスクの低い部類です。ただし以下に当てはまる方は成分表示をチェックしてみるといいかもしれません。

  • 過去にオイル分の多い化粧品でニキビ・肌荒れを経験したことがある方
  • 敏感肌で新しい油性成分に不安がある方

逆に言えば、どちらにも当てはまらなければ40年以上使われてきた油性成分のひとつとして受け取って大丈夫です。



よくある疑問(Q&A)

Q. イソステアリン酸はステアリン酸と同じですか?
A. 別の成分です。枝分かれした形なので常温でも固まりにくく、直鎖のステアリン酸とは性質が変わります。

Q. ニキビができやすい成分ですか?
A. 強く裏付けるデータは見当たりません。ただし油分が気になる肌質の方は配合量や使う量で調整すると付き合いやすくなります。

Q. 「イソステアリン酸グリセリル」も同じものですか?
A. 同じイソステアリン酸をベースにしたエステル体です。結合する相手が違うと役割も変わります。

成分表示での確認方法

イソステアリン酸は表示のうえでこの形で記載されます。

水、BG、グリセリン、スクワラン、トコフェロール、
イソステアリン酸、フェノキシエタノール、香料
↑ここ

「イソステアリン酸」という文字が含まれる成分(イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸ソルビタンなど)は、基本的に同じ系統の油性成分と考えて大丈夫です。長い名前に驚かず「イソステアリン酸」の部分に注目して見てみてください。


美肌プロでイソステアリン酸の成分解析を確認してみよう

美肌プロの成分データベースではイソステアリン酸を含む各派生成分の詳細と安全性評価を確認できます。日焼け止めやファンデーションの表示と照らし合わせてみてください。

👉 イソステアリン酸の成分詳細・安全性評価を見る


美肌プロの成分データベースならイソステアリン酸の用途と安全性評価をそのまま確認できます。日焼け止めかファンデーションを1本、成分表示から「イソステアリン酸」の文字を全部探してみてください。単体か、後ろにグリセリル・ソルビタンが付いているか。それだけで油か乳化剤かが読み分けられます。

👉 イソステアリン酸の配合商品を見る

まとめ

  • イソステアリン酸はステアリン酸の枝分かれ異性体で資料では40年以上の使用実績があるとされる成分
  • 「イソステアリン酸グリセリル」「トリイソステアリン酸グリセリル」など名前は違っても、多くは同じ成分をベースにしたエステル体
  • 美肌プロの毒性評価はA。皮膚刺激・感作性の報告もほとんどない
  • コメドジェニック性を強く裏付けるデータは見当たらないが、油分が気になる肌質の方は配合量に注意

美肌プロは「イソステアリン酸が入っているから悪い商品」という判断はしません。「イソステアリン酸」の後ろを読む癖がつけば、油か乳化剤かが見分けられます。

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