この記事でわかること
化粧品の全成分表示を見ていると「イソステアリン酸」「イソステアリン酸グリセリル」「トリイソステアリン酸グリセリル」「イソステアリン酸ソルビタン」など似た名前の成分がいくつも並んでいて、混乱した経験はありませんか?
美肌プロは「おすすめも否定もしない、データで正直に伝える」サイトです。この記事ではイソステアリン酸とその仲間の成分を、名前の違いも含めて正直にお伝えします。
イソステアリン酸は天然の脂肪酸「ステアリン酸」の枝分かれ構造をもつ異性体です。パーム油やヒマシ油などの植物油を原料に作られることが多く、化粧品では主にエモリエント剤(皮膚をやわらかく保つ油分)や乳化剤の原料として使われています。
直鎖状のステアリン酸と違い分子が枝分かれしているため、常温でも液体〜半固体になりやすく使用感が軽い油分として重宝されています。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 由来 | パーム油・ヒマシ油などの植物油由来の脂肪酸 |
| 種類 | イソステアリン酸単体のほか、グリセリル・ソルビタンなどと結合したエステル体が多数 |
| 主な役割 | エモリエント剤(油分)・乳化剤の原料 |
| 肌タイプ | 全肌タイプ(敏感肌用・ベビーケア製品にも使用実績あり) |
| 美肌プロ毒性評価 | A(安全性高) |
イソステアリン酸そのものだけでなく、下記のように他の成分と結合させた「エステル体」も数多く使われています。呼び方が違うだけで根っこは同じ成分であることが多いです。
| 成分名 | 何が結合しているか | 主な役割 |
|---|---|---|
| イソステアリン酸 | (単体) | 乳化補助、pH調整 |
| イソステアリン酸グリセリル | グリセリン1分子 | 乳化剤、エモリエント |
| ジイソステアリン酸ポリグリセリル | ポリグリセリン+2分子 | 乳化剤(W/O型で多用) |
| トリイソステアリン酸グリセリル | グリセリン+3分子 | エモリエント、油性増粘剤 |
| イソステアリン酸ソルビタン | ソルビタン | 乳化剤(W/O型) |
| イソステアリン酸イソステアリル | イソステアリルアルコール | エモリエント、質感調整 |
結合させる相手や数を変えて「サラッとした使用感にしたい」「こっくりしたクリームにしたい」など化粧品のテクスチャーを微調整しているイメージです。名前が長くなるほど「危険な合成物質」に見えがちですが、実際は同じイソステアリン酸をベースにした仲間同士です。
イソステアリン酸イソステアリルは医薬部外品原料規格2021に収載されており、20年以上の使用実績の中で重大な皮膚刺激・皮膚感作の報告はありません。イソステアリン酸ソルビタンも56名を対象にした試験・201名を対象にした試験のいずれでも皮膚感作反応は確認されていません(出典: 化粧品成分オンライン)。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 美肌プロ安全性評価 | A(安全性高) |
| 急性毒性 | ほとんど報告なし |
| 皮膚刺激性 | 低い(複数の試験で確認) |
| 皮膚感作性 | ほとんど報告なし |
| 使用実績 | 20年以上(医薬部外品原料規格収載) |
敏感肌用コスメやベビーケア製品の油分としても使われるほど低刺激性が評価されている成分です。
「油分=ニキビの原因」というイメージからイソステアリン酸系の成分を気にする方もいます。ただし調べた範囲では、イソステアリン酸を強くコメドジェニック(ニキビを誘発しやすい)と位置づける明確なデータは見当たりませんでした。実際にノンコメドジェニック処方をうたうニキビケア化粧水にもイソステアリン酸系の成分が配合されている製品があります。
とはいえ油分である以上、もともと皮脂分泌が多い方やニキビができやすい肌質の方は、配合量や他の成分との組み合わせで肌に合う・合わないが分かれる可能性はあります。心配な場合はパッチテストをしてから使うとよいでしょう。
科学的データ上ではリスクは低いとされていますが、以下に当てはまる方は成分表示をチェックしてみるといいかもしれません。
逆に言えば、これらに当てはまらない一般的な方が過度に心配する必要はなさそうです。
「イソステアリン酸」という文字が含まれる成分(イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸ソルビタンなど)は、基本的に同じ系統の油性成分と考えて大丈夫です。長い名前に驚かず「イソステアリン酸」の部分に注目して見てみてください。
美肌プロの成分データベースでは、イソステアリン酸を含む各派生成分の詳細と安全性評価を確認できます。気になる化粧品の全成分表示と照らし合わせてチェックしてみてください。
美肌プロは「イソステアリン酸が入っているから悪い商品」という判断はしません。全成分と安全性評価をデータで確認して、自分に合った化粧品を選ぶ参考にしてくださいね。
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参考文献・出典