ヒドロキシプロリンはアミノ酸の一種です。ただ、どこにでもあるアミノ酸とは分布が違います。
参照した資料によると自然界では動物の結合組織をつくるタンパク質、すなわちコラーゲンの構成成分として10%以上を占めています。コラーゲンに偏って集まっているアミノ酸ということです。
だから化粧品の説明でも、コラーゲンとセットで語られることが多くなります。
先にはっきりさせておきます。これを塗ったからといって、肌のコラーゲンが増えるという話ではありません。コラーゲンそのものの話は コラーゲンの記事にあります。
プロリンというアミノ酸に、水酸基が1つ結合した形です。分類上はイミノ酸と呼ばれます。
| 基本情報 | 内容 |
|---|---|
| 正体 | プロリンに水酸基が結合したアミノ酸 |
| 自然界での分布 | コラーゲンの構成成分として10%以上 |
| 化粧品での配合目的 | 角層の水分量を増やす保湿 |
| 化粧品以外の用途 | 食品の調味料・強化剤 |
| 美肌プロ毒性評価 | A |
化粧品での仕事は保湿です。角層の水分量を増やす目的で化粧水から洗浄料まで幅広く使われています。旧表示指定成分には該当しません。
成分表示には頭に「アセチル」が付いた形も登場します。アセチルヒドロキシプロリンです。
変わるのは角層へのなじみやすさでした。資料にはこう書かれています。ヒドロキシプロリンもある程度は角層になじむが、アセチル基を付けることでその性質が大きく向上した、と。
アセチル基は水になじみにくい部品です。水になじむアミノ酸に、あえて水をはじく部品を足す。それによって角層になじみやすくなる、という設計になっています。
役割そのものは変わりません。どちらも配合目的は角層の水分量を増やす保湿です。届き方を調整した、と考えると分かりやすくなります。
成分データベースには名前のよく似た3つが並んでいます。
| 成分名 | 美肌プロ毒性評価 |
|---|---|
| ヒドロキシプロリン | A |
| アセチルヒドロキシプロリン | A |
| N-アセチル-L-ヒドロキシプロリン | A |
ここで注意点です。この3つは、それぞれ別の成分として登録されています。同じものを違う書き方にしただけ、ではありません。
とくに3つ目のN-アセチル-L-ヒドロキシプロリンについては、上の2つのどちらかと同じものかどうか、確認できる資料が見つかりませんでした。名前が似ているという理由だけで同一と判断するのは避けます。
成分表示を見比べるときは、1文字ずつ照らし合わせてください。「だいたい同じ」で済ませない。それがこの3つの正しい扱い方です。
化粧品の全成分をチェックする
手元の化粧品も調べてみませんか。美肌プロ毒性評価が出ます。
| 項目 | ヒドロキシプロリン | アセチル体 |
|---|---|---|
| 医薬部外品原料規格2021 | 収載 | 記載なし |
| 使用実績 | 40年以上 | 15年以上 |
| 皮膚刺激性 | ほとんどなし | ほとんどなし |
| 眼刺激性 | ほとんどなし | データがなく詳細不明 |
| 皮膚感作性 | ほとんどなし | ほとんどなし |
| 光毒性 | ほとんどなし | 記載なし |
使用実績に差があります。ヒドロキシプロリンは40年以上、アセチル体は15年以上。アセチル体のほうが新しい成分で、そのぶん揃っているデータも少なめでした。
ヒドロキシプロリンは食品添加物の既存添加物リストにも収載されています。ただし口に入れる場合と肌に塗る場合では評価する観点が違います。
評価はどちらもAですが、その人の肌に合うかどうかは別の話になります。
| 組み合わせ | 理由 |
|---|---|
| 他のアミノ酸系保湿成分 | 同じ角層の水分量に働く。まとめて配合されやすい |
| グリセリン・BGなどの保湿剤 | 水側でうるおいを担う土台になる |
| 加水分解コラーゲン | 由来のつながりから同じ処方に置かれやすい |
相性の悪い成分についての記載はありませんでした。無理に埋めずに置いておきます。
【美容液の例】
水、BG、グリセリン、ヒドロキシプロリン、
加水分解コラーゲン、ヒアルロン酸Na、カルボマー
【アセチル体が入っている例】
水、DPG、アセチルヒドロキシプロリン、グリセリン、
ペンチレングリコール、キサンタンガム
成分表示は配合量の多い順に並ぶのが原則です。ただし1%以下の成分は順不同でよいことになっています。アミノ酸系の保湿成分は少量で配合されることが多く、位置から量は読み取りにくくなります。
A. そういう成分ではありません。参照した資料に書かれている化粧品での配合目的は角層の水分量を増やす保湿です。
コラーゲンに多く含まれるアミノ酸である、という事実と、塗って増えるかどうかは別の話になります。
A. 資料で確認できたのは、角層へのなじみやすさが向上しているという点までです。効果の大きさを比べたデータは見つかりませんでした。
使用実績もアセチル体のほうが短く、揃っているデータは少なめです。
A. 自然界ではコラーゲンに多く含まれる成分ですが、化粧品原料としての製法までは資料で確認できませんでした。
由来が気になる場合は製品のメーカーに問い合わせるのが確実です。
美肌プロの成分データベースには3つそれぞれのページがあります。
👉 N-アセチル-L-ヒドロキシプロリンの成分詳細・安全性評価を見る
手持ちの美容液で名前の並びを1文字ずつ確かめてみてください。似ているだけの別成分かもしれません。
コラーゲンとのつながりは事実ですが、そこから期待を広げすぎないほうが正確です。
化粧品の全成分をチェックする
読み終わったら、気になる1本を検索してみてください。全成分と評価が一覧で出ます。